30歳のときに出会ったNちゃんとは、コンパで知り合いました。
若いころは、コンパに参加したり婚活パーティーに行ったりと、出会いを求めてそれなりに頑張っていました。結局どれも実らず、現在に至ります。けれど、そんな中で出会えたのがNちゃんでした。
Nちゃんは社交的な人で、コンパの帰りに家が近いとわかると「一緒にタクシーで帰ろう」と誘ってくれました。それをきっかけに、買い物やランチ、飲みに行ったり、旅行に出かけたり。気がつけば、もう20年の付き合いになります。
もう独身で生きていこうと思っている今、Nちゃんの存在はとても貴重です。孤独な老人にならないためにも、本当に大切な友達は大事にしていきたいと思っています。
前職を退職して、私の収入はおよそ3分の1になりました。少ない収入でも幸せに暮らすには、物欲を満たすことよりも、人とのつながりや経験にお金を使うほうがいい。そう考えをシフトしたこともあって、Nちゃんと買い物に出かけることは、ほとんどなくなりました。
最近は、Nちゃんを通じて知り合ったもうひとりの友人、Mちゃんと3人で、いろいろなアーティストのライブに行くことが増えました。正直なところ、私は音楽に疎くて、誰かの熱心なファンというわけではありません。でも、生でアーティストの歌を聴くと心に響いてくるし、あの空気感はたまらないものがあります。
以前は、Nちゃんの影響で安室ちゃんのファンになり、ライブのたびに一緒に出かけていました。安室ちゃんのラストライブを見届けたあと、私は燃え尽き症候群のようになってしまいました。安室ちゃんは引退のとき、ファンに「また他のアーティストを好きになってほしい」というメッセージを残しましたが、Nちゃんはその言葉を実行するかのように、いろいろなライブへ足を運ぶようになりました。そんな経緯もあって、ライブに出かけることが、今の3人をつなぐものになっています。
ライブの計画は、数ヶ月前から始まります。人気のあるアーティストだと抽選になり、日程がすぐ決まることもあれば、抽選次第でなかなか分からないこともあります。カレンダーで管理していればいいのですが、ズボラな私は、どのライブがいつなのか分からなくなってしまい、今月あるライブの日に、うっかりパートのシフトを入れてしまいました。
そのライブは、一次抽選では落選していました。ただ、毎日抽選が行われていて、極端にいえば前日に行けるかどうかが分かることもある、という仕組みでした。私はそれを理解しておらず、グループラインに「当たったらシフトを変更するけど、当たらなかったらそのままパートに行く」という内容を送ってしまい、少しヒンシュクを買ってしまいました。
というのも、最近の私は、パートが楽しくて仕方がないのです。ポンコツな私が、ちょっと必要とされることが嬉しい。だから正直、ライブよりもパートに心が惹かれてしまい、グループラインにもパートを優先するような文面を送ってしまいました。
でも、改めて考えてみました。NちゃんとMちゃんは、できれば老後まで友達でいてほしい存在です。一方、パートは、どんなに長くても10年以内には辞めるだろうと思います。ここは、本当に大事な人たちを優先すべきなのではないか。そう思い直して、ライブの予定日にパートの休みを取ることにしました。
とはいえ、心のどこかにモヤモヤも残っています。そこで、パートに対する今の気持ちを、ふたりに話してみようと思います。パートが楽しいという気持ちも、友達が大切だという気持ちも、どちらも本当の私だから。

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