9月1日から兄のグループホーム生活が始まりました。
兄はアパートタイプを希望したため、入居前日に私と母で一日がかりで生活道具を運び入れました。ベッド、テレビ、電子レンジ、布団……。引越し業者は使いませんでした。兄のグループホーム生活が長くは続かないだろうという予感があったこと、そして兄にできるだけお金を使わない意識を持ってもらいたかったことが理由です。
入居当日から、兄のテンションは高めでした。しゃべりっぱなしで、部屋に案内してからもあれこれと「足りないものを用意してほしい」と言い続けていました。前月の支援会議で1週間のお小遣いは5000円と確認していたので、兄の要望するものの中から、私たちも納得できるものだけ当日に準備して、母と私は帰宅しました。
それ以降も、兄からの連絡は毎日のように続きました。生活に足りないものを次々と要求してくる内容ばかりで、つまるところ現金が欲しいのだと感じていました。最初はやり取りしていたのですが、返事をするたびに兄のテンションがさらに上がってしまう気がして、途中から返信を控えるようにしました。
兄は車を所有することにこだわりがあり、退院したらまたローンで購入してしまうのではと私と母は心配していました。以前、症状が最もひどい時期に150万円の中古車をローンで買い、最終的に母が肩代わりしたことがあったので。それを避けるためにも、と思い、兄から要望のあった自転車を後日持って行きました。
ところが、それが行動範囲を広げることになってしまいました。
9月の連休中、兄はグループホームから約25キロ離れた実家まで自転車で帰ってきました。8時間以上かけて。道中もいろんな店に立ち寄ったようで、コンビニでスマホの充電をしようとして充電器をなくし、買い物のついでにスマホ本体まで置き忘れてくる始末でした。躁状態のときの兄は思いつくままに動くので、記憶も曖昧で、どこにどう寄って帰ってきたのかも思い出せない様子でした。
兄は退院してから子どもと会いたがっていました。様子を見て連れて行くとは伝えていたのですが、待ちきれずに実家まで来てしまったようです。ただ、躁状態のときの言動は乱暴になるので、子どもは怖がってしまっていました。この病気は、人間関係を壊してしまう病気だと改めて思います。
グループホームでの生活は、週3日は病院のデイケア、週2日は訪問看護、土日はフリーというスケジュールです。1日3食グループホームから提供され(土曜は夕食のみ、日曜は昼食と夕食のみ)、食事が豪華なことが売りのグループホームなので、食べることの好きな兄には合っていそうでした。兄自身が選んだグループホームでもあります。
しばらく躁状態が続いていたので、グループホームのスタッフからも外出が多いことや浪費を心配されていました。居酒屋に行ったと本人が話していたこともあるようです。兄はどうにかして物欲を満たす方法を見つけ出します。今回は某スマホ決済を使って買い物や外食を繰り返していたようでした。連休明けのデイケアでスマホを確認したところ、22万円を使用していたことが発覚しました。
所持金もないのに次々と購入してしまう兄がまずいのはもちろんです。でも同時に、返済能力がないことが明らかな人でも利用できてしまう某スマホ決済の仕組みにも、疑問を感じずにはいられませんでした。

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