兄、グループホームへの道

兄が精神科に入院して、1年半以上が経ちました。

兄は双極性障害を抱えています。以前は少し落ち着いたら実家に帰る……という生活を繰り返していましたが、実家に戻るとわがままになって症状が悪化し、再入院というサイクルが続いていました。兄の奥さんはすでに兄のことを見放しており、面倒を見るのは母だけです。

母は責任感が強く、兄が家にいると生活リズムの管理、服薬の確認、夜間の見守りまで担おうとします。でも母は80歳目前の後期高齢者で、父と自営業も続けています。兄と母の相性は正直よくなく、家で兄を見ることはもう難しいというのが家族の判断です。


兄の症状が最もひどかった時期、兄は車のローンやクレジットカードを勝手に作って使い込み、気づいたときには総額約300万円の借金ができていました。母は消費生活センターに相談に行き、「代わりに返済しないように」とアドバイスを受けたそうです。それでも息子の借金を放っておけず、母がコツコツと返済してきました。

あの頃の兄は、法律を守る意識が下がっていたように思います。飲酒運転も平気でしそうな様子で、人とのトラブルも絶えませんでした。故意ではなかったとはいえ、母に怪我をさせたこともあります。店の品物をツケで買おうとして警察沙汰になり、他のことでもパトカーが何度も実家を訪れていたと母から後で聞きました。


そんな兄に、グループホームへ移る話が出ています。実はこれが初めてではありません。これまでも何度も同じ話が出ては、兄が楽しみに思うあまりテンションが上がってしまって症状が悪化し、見送りになる……ということが繰り返されてきました。

兄が希望しているのはアパートタイプのグループホームで、一人暮らしのように自由に生活できることが嬉しくて仕方ないようです。病院は治療の場なので、ある程度回復したら退院しなければならない。それは理解しています。担当の相談支援員さんがグループホームの話を進めてくださるのも、筋の通ったことだと思っています。

ただ、私としては正直に言うと、病院にいてくれるのが一番安心です。グループホームなら集団生活のタイプであればまだ安心できるのですが、兄の希望はあくまで自由なアパートタイプ。本人の希望が優先されるのはわかっていても、あの頃の兄の姿が頭から離れず、うまくいく気がしないのが本音です。


先月、母と私で病院の支援員さんに相談に行きました。グループホームでの生活は難しいと思っていること、また借金を勝手に作ることへの心配などを正直に話しました。そのとき私は、母が以前の借金を肩代わりしたことが、兄に「結局母がどうにかしてくれる」という誤学習をさせてしまったかもしれないとも話してしまいました。後になって、あの発言は母のこれまでの行動を否定してしまったかもしれないと反省しています。

先月末には、体験入居がありました。しかし兄は、母と約束していた禁煙・禁酒をどちらも破っていたことが後でわかりました。母はとうとう堪忍袋の尾が切れたのか、「もう兄とは関わりたくない」と言い出しました。私のあの発言も、母の気持ちに影響してしまっている気がしています。


兄は、病気の自分の面倒を母が見るのは当たり前だと思っているようです。でも私はそれは違うと思っています。母には母の人生があり、母のお金は母が自由に使っていいはずです。現在、入院費が月約15万円、小遣いやスマホ代なども含めると月20万円近くを母が負担しています。入院をする生活が始まったのが6年ほど前からなので、総額どれぐらいになるでしょうか。支援員さんからも、障害年金の申請をしようかと心配していただいています。

私の今の考えは、兄の母に対する金銭的な依存はやめさせたい、ということです。お金の面では分断しながら、精神的なつながりは残せたら——そう思っています。お金のつながりがなくなったら兄が家族を切り離してしまうかもしれない、ということもありえますが。借金の心配事については今度地域の弁護士の無料相談に行く予定にしています。


来月、グループホームの担当者、市の相談支援専門員、病院の支援員、兄、母、私が集まって支援会議が開かれる予定です。家族として心配していることを共有して、兄のこれからのことを一緒に考えてもらえる場になればと思っています。

心配事は尽きませんが、最終的には兄のグループホームでの生活を見守るしかないのかな、と思っています。

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