今回の棚卸のバイトを辞めたくなった自分の気持ちに直面して、私にとって働くこととは何だろう」と考えています。前職を離れたときも、今の棚卸のアルバイトを続けるのがつらくなっている今も、根っこにあるのは同じ気持ちでした。――”人に迷惑をかけてしまうこと”、それに耐えられなくなってしまうのです。
思い返せば、10代のころに「どんな仕事をしたいか」を考えたとき、私が思い描いたのは「人の役に立つ仕事」でした。誰かの役に立てるなら、自分が生まれてきた意味も見いだせるのではないか。そんな答えを必死に探していたのを覚えています。朝ドラ「あんぱん」のセリフにもあったように、「何のために生まれて何のために生きるのか」と自問し続ける日々でした。行き着いたのが福祉の仕事でした。
けれど実際に働いてみると、そこで感じたのは「自分が楽しい」「自分が成長できる」という実感でした。もちろんそれ自体は悪いことではありませんが、「これは人のためになっているのだろうか」という迷いは消えませんでした。やがて40代になり、リーダー的な立場を任されるようになると、「誰かの役に立つ」よりも「周囲に迷惑をかけている」と強く感じるようになり、心がすり減っていきました。そして、定年を待たずに辞める道を選びました。
私にとって「人の役に立つこと」と「人に迷惑をかけること」は、正反対の意味を持っています。だからこそ、迷惑をかけていると感じる瞬間に、仕事への意欲は失われてしまうようです。
一方で、実家の仕事を手伝っていると、両親から「ありがとう」と声をかけてもらえることがあります。その一言で、「役に立てているのかもしれない」と思える。自己肯定感が少しずつ取り戻されていくのを感じます。
そして今、新しく始めたコーヒーショップでのアルバイトでも、少しずつ「役に立てる自分」になっていきたい。迷惑をかけてばかりではなく、仲間の一人としてお店に貢献できる自分でありたい。そう思えること自体が、私にとって働く意味をもう一度見つけ直す小さな一歩になっている気がします。
コメント